産後うつのセルフチェックと受診の目安|産後、心が疲れていると感じたら

赤ちゃんとの毎日の暮らしの中で涙が出たり、不安になったり、また思う様に笑えず、、、、そんな自分を責めてしまうことはありませんか?
出産を終えたあなた自身のこころとからだも、大切なケアを必要としています。つらいと感じるのは、頑張りが足りないからではありません。そんなときは、1人で抱え込まず、身近な人や出産した病院、地域の保健師さんに気持ちを話してみてください。
「このくらいで相談してもいいのかな」と迷う時も、相談して大丈夫です。うまく言葉にできなくても大丈夫。あなたが少しでも安心して過ごせる様にまずは、今の気持ちに目を向けることから始めてみませんか?
この記事では、助産師在籍・精神科に特化した「セノーテ訪問看護ステーション」が、自宅でできるセルフチェックの項目、マタニティブルーズと産後うつの違い、受診と相談の目安、そして訪問看護を使う場合の流れと費用の考え方までをまとめます。
今すぐ相談してほしいサイン
「赤ちゃんに手をあげてしまいそう」「消えてしまいたい」という気持ちがある場合は、緊急性の高い状態です。一人で我慢せず、今すぐ次のいずれかに連絡してください。
- 1. 同居のご家族、または近くにいる人に今の気持ちを伝える
- 2. 出産した産婦人科、かかりつけの心療内科・精神科
- 3. お住まいの市区町村の保健センター(保健師)
- 4. 厚生労働省「まもろうよ こころ」の相談窓口一覧(電話・SNS相談先がまとまっています)
- 5. セノーテ訪問看護ステーション フリーダイヤル 0120-44-1834(平日8:30〜17:30)/メールでのお問い合わせはこちら
これって産後うつ?まずはセルフチェック
産後うつは、落ち込みや不眠、自責感といった症状が重なって日常生活に支障が出ている状態を指します。ホルモンバランスの急変、睡眠不足、生活環境の変化が重なって起こる脳の不調であり、気持ちの持ちようで解決するものではありません。
市区町村が費用を助成する産婦健康診査(産後2週間・1か月ごろなど)では、エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)という10項目の質問票が使われています。以下のチェックリストはEPDSそのものではなく、産後に見られやすい心とからだの状態を、自宅で振り返りやすいようにまとめたものです。正式な評価は、健診や医療機関で受けられます。
【産後うつ セルフチェックリスト】
- □理由もなく悲しくなったり、涙が出たりする
- □今まで楽しめていた趣味やテレビなどが楽しめない
- □「自分はダメな母親だ」と自分を責めてしまう
- □赤ちゃんのお世話をするのが辛い、または過度に不安になる
- □赤ちゃんが寝ていても、自分は眠れない(不眠)
- □食欲がない、または過食してしまう
- □常に疲れていて、気力が湧かない
- □「消えてしまいたい、ここから逃げ出したい」と思うことがある
判定の目安
3つ以上当てはまる場合、または1つでも強く感じる項目がある場合は、専門的なサポートを検討するサインです。特に最後の項目に当てはまる場合は、当てはまる項目の数にかかわらず、その日のうちに誰かに相談してください。
「マタニティブルーズ」と「産後うつ」の違い
両者を分けるのは、症状が続く期間と生活への支障の大きさです。マタニティブルーズは産後数日で始まり2週間ほどで自然に治まりますが、産後うつは2週間以上続き、家事や育児が手につかなくなります。
| 項目 | マタニティブルーズ | 産後うつ病 |
| 時期 | 産後3日〜10日頃 | 産後数週間〜数ヶ月以内に発症 |
| 主な原因 | 急激なホルモン変化 | ホルモン変化+環境要因、 ストレス等 |
| 症状 | 涙もろい、イライラ、 気分の浮き沈み | 激しい落ち込み、不眠、 興味の喪失、自責感 |
| 期間 | 数日〜2週間程度で 自然に治まる | 2週間以上続き、 日常生活に支障が出る |
辛い状態が2週間以上続いているなら、産後うつの可能性があります。自然に治まるのを待つより、誰かにSOSを出したほうが回復は早くなります。
産後の心身の回復を支える仕組みとして、市区町村が実施する産後ケア事業(宿泊型・デイサービス型・訪問型)もあります。助産師や保健師から授乳や育児の支援を受けられる制度で、利用条件や自己負担額は自治体ごとに決まっています。母子保健の制度全般は厚生労働省の母子保健に関する情報ページにまとまっているので、お住まいの自治体の窓口と合わせて確認してください。
産後うつは「薬」だけじゃない。周囲のサポートと「訪問看護」
産後うつの治療は薬物療法だけではなく、休める環境を整えることが治療の柱になります。授乳中の服薬が心配な方も、まず主治医に授乳の状況を伝えたうえで、生活調整やカウンセリングを含めた方法を相談できます。
そのための選択肢の一つとして、「精神科訪問看護」があります。
精神科訪問看護でできること
精神科訪問看護は、看護師や作業療法士が自宅を訪問し、医療的な視点で生活と心のケアを行うサービスです。セノーテでは、助産師も在籍しており母子にも特化している精神科訪問看護ステーションです。助産師×精神科特化チームで連携し、次のような支援を行います。
- ★心のケア(不安や辛い気持ちを聴き、症状の変化を主治医と共有します)
- ★生活リズムの調整(睡眠の取り方、家事の優先順位、無理のない育児の方法を一緒に整理します)
- ★服薬に関する相談(飲み心地や副作用の訴えを主治医へ橋渡しします)
- ★ご家族へのアドバイス(パートナーや祖父母がどう支えるかを具体的にお伝えします)
- ★在宅での支援(外出が難しい時期でも、自宅で専門的なケアが受けられます)
セノーテ訪問看護ステーションでは、「利用者様の意思を一番に尊重した看護」を方針としています。一方的に指導するのではなく、どうすれば少しでも楽になるかをご本人と一緒に考えます。
一人で頑張りすぎないで。私たちにできること
産後うつは、育児に真面目に向き合っている人ほど抱え込みやすい不調です。今辛いのは、あなたが一生懸命に育児と向き合っている証拠です。
「こんなこと話していいのかな」と思うような小さな悩みでも構いません。セノーテ訪問看護ステーションは、こころの悩みに向き合い、あなたがあなたらしい笑顔を取り戻し、自分らしく過ごせるようサポートします。
まずはお電話で、今の気持ちを少しだけ話すところから始めてみてください。
■ご相談・お問い合わせ
セノーテ訪問看護ステーションでは、新規のご相談を随時受け付けています。ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も可能です。
- ・お電話でのご相談(フリーダイヤル): 0120-44-1834(平日8:30〜17:30)
- ・メールでのお問い合わせはこちら
- ・対応エリア詳細はこちら(福岡・沖縄・山口・広島・愛媛・愛知・神奈川・埼玉・茨城)
〜訪問までの流れ〜
現在の状況や希望する訪問の時間帯をうかがうところから始まります。精神科訪問看護は主治医が発行する訪問看護指示書が必要なため、通院先が決まっている方は主治医に「訪問看護を利用したい」と伝えていただき、まだ受診していない方には受診先の相談から一緒に進めます。指示書が整った段階で初回訪問の日程を調整し、ご自宅で担当の看護師が生活状況や困りごとをうかがって支援計画を作ります。相談から初回訪問までは、主治医との調整状況によって変わりますが、指示書が出ていればそこから日程調整に進めます。
訪問1回あたりの時間は30分から60分程度が目安で、頻度は週1回から3回の範囲で、体調や生活の状況に合わせて決めます。産後は赤ちゃんの授乳や睡眠のリズムがあるため、訪問時間帯もそれに合わせて調整します。
費用は医療保険が適用され、自己負担は原則3割です(年齢や加入している保険により1割または2割の場合があります)。精神疾患の通院治療を続ける方は自立支援医療(精神通院医療)の対象になることがあり、申請が認められると自己負担が1割になり、所得に応じて月あたりの上限額も設定されます。申請はお住まいの市区町村の窓口で行い、主治医の診断書が必要です。手続きの進め方が分からない場合も、訪問看護の相談時にあわせてご案内できます。
執筆・監修
本記事は、精神科に特化した訪問看護を提供するセノーテ訪問看護ステーションの看護師・精神保健福祉士が、実際の在宅支援の経験と公的機関の情報をもとに作成・確認しています。記載内容は一般的な情報であり、診断や治療方針は主治医の判断によります。症状や薬についての判断は、必ずかかりつけの医療機関にご相談ください。