日課(ルーティン)を重要視する
精神疾患を抱える方にとって、日課(ルーティン)を整えることは、心身の安定を支える「土台」のような役割を果たします。
日課(ルーティン)を整えるように医師も看護師も必ず助言することだと思います。そんなに日課(ルーティン)を整えることがそんなに大事なことなのか?と不思議に思うかもしれません。
今回は、日課(ルーティン)を整えることの重要性について説明していきます。
【日課:ルーティンが大切な理由】
①予測可能性が安心感を生む。
精神疾患を抱えた方にとって、急な予定変更や突発的なできごとに対して強く不安を感じることがあります。それは「予測できない状況や変化」へのストレス耐性が低いことが影響しています。日課(ルーティン)は、毎日の「型」を作ることで不安や混乱を最小限にしてくれます。
②自己効力感を高める。
例えば、「昨日は、午後に目が覚めたが、今日は、ギリギリだったが午前中に目が覚めた」という場面があったとします。日課(ルーティン)を決めていることで、「今日は、ここまでできた」という小さな達成感が得られます。その小さな積み重ねが、自尊心の再構築につながります。
※精神疾患を抱えている方は、その小さな自信すら失っているのです。
③脳内の神経伝達物質の安定化。
規則正しい生活は、セロトニン(ドパミン・ノルアドレナリン2つをコントロールして、気持ちを安定させる)・ドパミン(喜びや快楽、意欲をもたらす働きがある。)・ノルアドレナリン(ストレスに打ち勝とうとするときに働く。)などの気分にかかわる物質のバランスを保つ助けとなります。
特に「朝の太陽光+運動(散歩や軽い運動)」はセロトニンの分泌に重要となります。
④再発予防。
生活リズムが乱れることは、精神疾患の再発の引き金になることが多く報告されています。
(睡眠不足、昼夜逆転など)
以上のように、日課(ルーティン)を整える重要性は理解できたかと思います。しかし、日課(ルーティン)に縛られた生活は、息苦しさを感じるという方もいると思います。日課(ルーティン)は「ガチガチに管理」する必要はありません。大切なのは、柔軟性のある習慣ということです。
例えば、
- ① できなかった日は自己否定しないこと
- ② 誰かと一緒に取り組む。もちろん、支援者の力を借りることもOK
- ③ 「完璧にやる」より「継続」を大切にする
セノーテ訪問看護では、日課(ルーティン)を大切に考えています。これまで入退院を繰り返している方や精神症状を悪化させている方は、ほとんどの場合、日課(ルーティン)が崩れていたと思います。
以前、働いていた方は思い出してください。月曜日から金曜日までは同じ時間に床に入り、同じ時間に起床していたことでしょう。また、同じ時間に家を出て会社に行っていたと思います。土曜日から日曜日は、仕事がお休みですが、休日の過ごし方もある程度、決まっていたと思います。
日常生活を整えるだけで、精神症状や今の生活が一変します。ぜひ、専門看護師や認定看護師が多く在籍するセノーテ訪問看護へ相談してみてください。あなたにあった日課(ルーティン)を一緒に考えていきましょう。
セノーテ訪問看護那覇沖縄中部エリアステーション
アンガーマネジメントファシリテーター取得
精神科認定看護師
渡慶次 保