作業療法士による精神科訪問看護
精神科訪問看護は、精神疾患を抱える方々が地域で安心して生活できるようサポートするサービスです。看護師だけでなく、作業療法士(OT:Occupational Therapist)がチームに加わることで、支援の幅が広がることをご存じでしょうか。
セノーテ訪問看護ステーションでは、必要に応じて作業療法士による訪問看護も取り入れ、支援を行っております。
今回は、精神科訪問看護に作業療法士が関わることで生まれるメリットについてご紹介いたします。
1. 生活に密着した具体的なリハビリができる
作業療法士は「日常生活に必要な活動」をリハビリの視点で支援する専門職です。訪問先では、例えば以下のような具体的な支援が可能です。
- ・体の動きや感覚の障害により思うように体を動かせない方への動作訓練(セラピストによるマッサージなども含む)
- ・食事を自分で食べやすくするための持ち手の太いスプーンや、入浴時に背中を洗える柄の長いブラシなどの自助具の工夫
- ・不安や緊張が強いお子さんに対して、遊びや好きなことを取り入れながら社会との関わりや安心できる関係性を築く支援
これらを通じて、利用者さんの「できること」が少しずつ増え、自信や生活の質(QOL)の向上につながります。
2.作業を通じて心の安定を図る
作業療法士は、「作業(=意味のある活動)」を通じて心の健康を整える視点を持っています。散歩や手工芸、趣味活動など、利用者の興味や関心に寄り添いながら「やりたいこと」や「好きなこと」を一緒に見つけ、生活の中に取り入れていきます。活動に取り組むことで達成感を得たり、ストレスを発散できたりし、結果として症状の安定や再発予防にもつながります。
3. 多職種連携がより効果的に進む
精神科訪問看護の現場では、医師、看護師、ソーシャルワーカーなど多職種が関わります。そこに作業療法士が加わることで、
- ・生活機能評価の視点が増える
- ・日常生活上の課題や目標を共有しやすくなる
- ・リハビリ的な具体策を提案できる
といったメリットが生まれ、チーム全体の支援力が高まります。
精神科訪問看護に作業療法士が関わることで、より個別性が高く、生活に根ざした支援が可能になると考えております。生活の困りごとを一緒に解決するパートナーとして、作業療法士の存在は、きっと利用者さんにとって大きな安心につながるはずです。
ご家族やご自身、または支援の現場で「作業療法士の関わりがあれば…」と思われた際には、ぜひ一度ご相談ください。
セノーテ訪問看護 那覇・沖縄エリア中部ステーション
東海林 謙太